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コラム 世の中スケッチ

“ウチ、粛々とやってますねん”  世の中スケッチ Vol. 18

世の中スケッチ Vol. 18

久々に世の中スケッチを描きます。コロナ感染で続く緊急事態宣言下でも、路線にもよるでしょうが、都内の通勤時間帯の電車は90%の混雑です。“すし詰め”電車を回避したいので、トシをタテに夕方は早めの帰宅をさせてもらってます。

いつものようにホームで電車を待っていると、コツン、コツンと杖の音を響かせて女性が盲導犬の先導で点字ブロックの上を歩いてきました。それぞれの乗車位置で並んでいる人が女性たちに気が付いて次々と後ろに下がります。お行儀のわるい小学生たちを整列させていく先生のようで思わずニンマリ。同じ乗車口の先頭に立ち電車を待つ間、こちらはどうしても盲導犬に視線がいってしまいます。他の人もチラチラと見てます。えらいなぁ、大変だなぁと同じ気持ち見ているはずです。
例の関西弁でしゃべる盲導犬のCMを思い出しました。可哀想という声に、“世間の声に吠えさせてもらいますわ”、と犬の気持ちを喋りだす内容にネットでは賛否両論が飛び交ったとか。
3年前に愛犬をなくした身としては、目の不自由な女性を差し置いて、犬のほうに気持ちが寄ってしまいます。
日本補助犬指導センターによると、実働している盲導犬は900頭近くで年々減少傾向にあり、約3000人の希望者に対応できてないとか。1歳を過ぎると訓練を受けて、実働期間は10年と長い。(いや~、大変だなぁとリフレイン)。
車内では、女性は点字キーボードを一心に打ち始め、周囲の乗客が興味津々の視線を向けるなか、盲導犬は足元に坐り一点を見つめて微動だにしない。降車駅でのそっと起き上がった盲導犬の視線がピタッと私と合いました。その目は“ウチ、粛々とやってますねん”と云ってる気がしました。プロの眼でした。

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